毎週火曜日更新、「港区とんかつランキング」。港区内のとんかつを回ること、早12軒目。これで３ヶ月毎週とんかつを食べ歩いているわけですが、全くもって飽きる気配がない。
油物だし、どこかでキツくなる時が来るのではないかと最初は思っていたけれども、意外にも余裕。むしろ、月曜日火曜日あたりになると、とんかつが食いたくなる体に仕上がってきている。
さらにありがたいことに、とんかつを夕方に食った時はもちろん、昼に食った日でさえ、その日はお腹が膨れていて夜に飲み歩きに行かず、すんなりと帰宅できるという結果としてダイエッティーな効果も出てきている。いいぞ、とんかつ。頑張れ、とんかつ。
というわけで、今宵は白金台にある人気店に行って参りました。
とんかつ すずき
東京都港区白金6-22-18
営業時間
[月～土]17:00～21:00
定休日：日曜・祝日
場所は天現寺橋の交差点を目黒方面へ行ってすぐ。各駅からは結構遠そうで、タクシーで行ってしまったけども、歩くと良いカロリー消費になりそうな距離感。
訪問したのは平日オープン直後。店内にはまだ誰もおらず、シーンとした雰囲気。メニューはシンプルにロース、ヒレ、エビフライ、一口かつ、串カツの定食に冷し焼きなす。
突如現れた冷し焼きなすにも惹かれたが、ロースかつ定食を注文。
注文後、温かいお茶とおしぼり、ソースの小皿が運ばれる。
ホッと一息つきつつ、調味料をチェック。
調味料
左から、七味、からし、醤油、上に塩、壺にソースという構成。
調味料に関しては家庭的なもので、特筆すべきことはなさそうだ。
厨房ではお若い店主さんが調理をして、お姉さまお二方が配膳とキャベツやご飯を盛ったりなんだり。
注文をしてからカツが来るまでに３名ほどお客さんがいらっしゃって、結構年配の方が多い印象。皆様、店内に入るやいなや、定位置に置いてある新聞を取りに来て黙々と読んでいらっしゃる。
ロースかつ定食（2,000円）
注文から15分ほどで、ロースかつ定食の到着。
大きなカツにキャベツ、レモン。ご飯、汁椀、お新香の基本構成。
ロースかつ
ロースかつは170g前後だろうか。ほど良い厚さにこんがりとキツネ色に揚がった少し粗めのパン粉の衣。
格子状に切り分けてあり、一口サイズになっている。この切り方は第九回に訪問した新橋の「明石」と同じ切り分けスタイル。
合計12個に切り分けられたカツ、まずは左から３切れ目に手を出していく。
左から３切れ目下
格子状に切り分けられたうち、下側に背脂、上側は赤身のみとなっている。まずは３切れ目下の背脂と赤身のある部分をファーストバイトに決める。
塩をささっとふりかけ、一口でパクん。
ザクッ
ザクザクと良い音を鳴らしながら、しっかりとした赤身の肉質と旨味。
うむ、美味い。衣は肉から剥がれやすいものの、ボロボロと崩れ落ちることは無く、そこまで気にならない。
３切れ目上
３切れ目上の赤身部分も続けて食べる。塩を振りかけて頂く。
がっしりとした赤身の肉質、やや硬めの衣のざっくり感。美味い。
かなりよく揚げなので、赤身のしっとりさは失われているが、肉の旨味はしっかりと感じられる。
油切れも良い。そして何より、驚くほど軽やかな油。HPがないので何の油を使っているかまでは拙者の舌のみではわからなかったが、植物性の油100%なのだろう。
しかし、他店でも最近では植物性の油100%も多く、拙者も食べてきたものの、ここまで軽やかな揚がり具合は珍しい。
さっくりかろやかで実に軽い。
ご飯
早速ご飯もかきこんでいく。ご飯の盛りはかなり少なめ。今までの店の中で最も小盛りなご飯。拙者は少なくても腹8分目で満足できるタイプなのだけど、満腹まで食いたい方には物足りないであろう量。
少し硬めの炊き上がりでご飯は普通か。
豚汁
汁椀は豚汁。あっさり目の味付けながら、しっかりと美味い。
ゴロゴロとしたごぼう、人参、大根の野菜がたっぷり系。豚汁といえど、豚肉は見あたらず、豚の出汁も感じない。もしかしたら、豚汁具材のお味噌汁ということなのかもしれない。
しかし、これはこれで美味い。
２切れ目下
左から２切れ目の上下も食べ進めていく。
食卓塩ながら、この塩で食べても充分に美味いので、このまま塩で食べる。
パラりと塩をふりかけて一口。
ん〜、サックりな衣に赤身のしっかり目な肉質。脂身もさらっと溶けて美味しく、くどさは全くない。
やはり油が軽くて飽きが来ない。年齢層が高めなお客さんが多いのはこの軽さがあるからこそであろう。
キャベツ
キャベツは細めのスタンダートな千切り。細すぎず、太すぎず、平均的な千切り。
ドレッシングはないので、ツボのソースを垂らし、全体になじませて食べ進める。
水水しさもあり、美味しい。
なぜかお新香の写真を撮り忘れてしまっていたのだが、お新香はきゅうりと白菜のぬか漬け。
白菜はたっぷりの量が盛られており、どちらもしっかり目な漬け具合。白菜はちょっと酸味が強い。しかし、ご飯の進むいいぬか漬け。
右端２切れ
途中、一切れだけソースとからしで食べて見たのだけど、ソースは酸味が強めな家庭的なソース。
カツは脂身をある程度切り落としてあり、かなりあっさりしているので、ソースで食べると調味料に圧倒されてしまい、塩で食べるのがベストだった。
少し味変したい場合であれば、ソースではなく醤油を少し垂らす方が美味しい。
最後の右端のカツ達も塩で最後までいただく。
端切れながら、こちらも赤身中心で脂身はほとんどない。しっかりよく揚げ系なので、最後の方はややパサついてしまい、ジューシーさは失われているものの、豚の旨味は感じられる。
完食
さらっとした油のおかげで、最後までくどさが無く、ぺろりと完食。ご飯が少なめなので、拙者のお腹的には腹8分目という具合。1,2時間休んだらラーメンぐらいなら食べれそうな感じ。
ちなみにキャベツはおかわり自由のようで、途中で一回追加しに来てくれた。
店の雰囲気もカツも昔ながらの良い雰囲気で、美味しいとんかつでした。
では、総評。
【肉部門】（19.5 / 25）
・左から３キレ目のファーストインパクト：4点
・2切れ目と4切れ目の美味しさ：4点
・脂身の美味しさ：4点
・全体的な赤身と脂身のバランス：3.5点
・衣：4点
【その他部門】（15.5 / 25）
・ご飯：3点
・キャベツ：3点
・豚汁（普通の味噌汁）：4点
・付け合せ（お新香）：3.5点
・ソースや塩その他、調味料など食べ方：2点
【お店部門】（15 / 20）
・店員さんの対応：3.5点
・清潔感：4点
・雰囲気：4点
・個人スペース：3.5点
合計：50 / 70 点
全体として、美味しいとんかつが食べれて特に不満な点もなく、満足なお店！
肉質も2000円の定食としては悪くなく、良い油、衣の美味しさ、脂身少なめでさらっとした仕上がりという点では、特に女性には喜ばれる良いお店と言える。
近場に勤務しているか、家が近ければ高頻度で通ってしまうような、そんなお店。
ただ、港区内でどこでも良いからめちゃくちゃ美味いとんかつ食いたい！となった時に真っ先に出てくるかと言えば、他店に軍配が上がるかなと思います。
新橋の明石の際にも書いたけれども、やはり格子状に切り分けると赤身オンリーの部分がどうしてもジューシーさにかけてしまう。
あの切り方であれば、しっとり感を残しつつ、赤身の旨味がもっと強い部位でないとめっちゃうめぇ！とは個人的にはならない。
しかしながら、食べ終わった後でも全く胃がもたれずに、口の中もさっぱりしていて、とんかつを食った後とは思えぬほどすっきり。それほどまでに軽やかなとんかつでした。
ご馳走様でした！
ではまた！
港区とんかつランキングリンク集
第一回 大門/浜松町「のもと家」の厚切りロースかつ定食
第二回 大門/浜松町「とんかつ檍」のロースかつランチ定食
第三回 麻布十番「とんかつ 都」の上ロースかつ定食
第四回 六本木「豚組食道」のロースかつ膳
第五回 六本木「イマカツ」の特選ロースかつ膳
第六回 赤坂見付「末吉」の特選ロースかつ定食
第七回 赤坂「とんかつ 水野」の特上ロースかつ定食
第八回 新橋「とんかつまるや 新橋烏森口店」の厚切りロースかつ定食
第九回 新橋「とんかつ 明石」の特ロースかつ定食
第十回 三田「とんかつ芝」の上ロースカツ定食リヴ
第十一回 南青山「とんかつ 赤月」の岩中豚ロースかつ膳
第十二回 白金台「とんかつ すずき」のロースかつ定食
第十三回 御成門 燕楽の「ロースかつ定食」
第十四回 麻布十番 むら中の「特製ロースかつ定食」
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