毎週火曜日更新、「港区とんかつランキング」。前回はこの企画初の新橋エリアで「とんかつ まるや」の厚切りロースかつ定食を頂きました。安ウマな店が多い新橋のとんかつはやはり安くて美味かった。1,300円であのクオリティは檍を除いてなかなかない。
他の新橋の人気とんかつ店も値段が控えめな店が多く、どれも気になるのだが、どうやら赤坂や六本木と同価格帯の人気店もあるようで、今宵はこちらに伺った。
とんかつ 明石
東京都港区新橋2-16-1 ニュー新橋ビル 4F
営業時間
[月～金] 11:00～15:00, 17:00～22:00
定休日：土日祝
解体がいつになるのやらよくわからないニュー新橋ビルの4Fに人気のとんかつ店があるらしい。このビルには１Ｆにある「豚大学」の豚丼を食べるか、同じ階の椿屋で休憩するぐらいしか立ち寄ったことがない。上の階は怪しげなチャイナエステがギッシリあるもんだと思っていた。
さて、伺ったのは平日の13:40頃。12時から13時の間は新橋のランチは鬼のように混んでいそうなので、腹は減っていたが少し時間を遅らせて向かう。
初めてニュー新橋ビルの上の階へエスカレーターで上る。2階や3階にはレトロな小さいゲーセンやフィギアを扱うお店なんかが見えた。4Fへ到着し、館内マップを見て明石を目指す。
ちょうど反対側のエスカレーターで来てしまったようで、グルっと回って行ったのだが4Fの店のほとんどはシャッターが閉まっていて、田舎のシャッター商店街のような雰囲気。解体するということで、もう移転している店が多いのだろうか。
店に着くと、パイプの丸椅子に２名が座って並んでいる。３番目に並んだ後すぐに店内から4人ほど会計を済ませて出てきた。拙者の前に並んでいた２名はそのタイミングで店内へ。
拙者もすぐに入れるかと思ったのだが、そうでもないようだ。2,3分後に店員さんが出てきて
店員「メニューは？」
拙者「普通のロースかつと特ロースは量だけちが..」
まで言いかけた所で
店員「ぶい。ぶい違う」
拙者「あ、じゃあ特ロースの方でお願いします」
こわっ。 拙者なんか失礼なこと言ったかと心配になるレベルで怖かった。笑
口コミで店員さんがどうのこうのと書かれていたのは見ていたものの、マジで怖かった。長居する夜の飲みとは違うので、サク食いの店は店員さんが冷たくても別にいいのだけど、普通に怖い。
注文を取った後、2,3分さらに待って入店。前の２人が入ってから誰もお客さん出て行かなかったのだが、何待ちだったんだろう。
お茶とお新香
着席すると温かいお茶とおしぼり、お新香が先に到着。おしぼりがちゃんとあるのはありがたい。やっぱり揚げ物の店でおしぼりがないとシンドイ。自前のハンカチを使うにも、それで口周りを拭いたらその後１日使いたくないしね。
お新香は沢庵と白菜の浅漬け。少なくもなく、多くもなくちょうどいい量。少しつまみたいが、ベストな空腹状態でカツを食べたいのでお茶で我慢。
調味料
調味料はカラシ、塩、ウスターソース、七味、醤油、とんかつソースと一通りの揃い具合。どれも清潔に拭かれていて、べた付きや汁が垂れているものはない。
藻塩
カツが届く前に小皿に調味料を用意しておく。こちらの塩はフワッとしている藻塩。広島、蒲刈町産。
食事途中に塩だけでも舐めてみたが、塩辛さはほとんどなく、塩味が控えめ。
ソースと辛子も用意しておき、準備万端。
キャベツ
入店から５分ほどで先にキャベツの到着。特ロースかつ定食だと、かつがデカイのでキャベツが別皿で来るようだ。
細目の千切りで水水しさがうかがえる。こちらもお新香同様に食べずに我慢。
特ロースかつ定食（2,200円）
キャベツから7分後、入店から12分でとんかつの到着。
でかい。デカいぞ。メニューには220gと記載があったが、もうちょいあるんじゃないか。分厚さはもちろんだが、奥行きも半端じゃない。
あまりのデカさ故に、カツは縦横10キレに切り分けてある。しかし凄いボリュームだ。腹ペコで来たが、これは凄い戦いになりそうだ。
特ロース 右から２切れ目 下
断面を見るにかなりしっかりした火入れ具合。少し粗目なパン粉で厚めな衣はコンガリと高温で揚げてある。
今回は横が５つの切り分けのため、右から２切れ目をファーストバイトに選ぶ。悩ましいのが、２切れ目のうち下と上どちらを先に食べるか。
赤身のみの下から行くか、脂身と赤身が2:3の上を食べるか。
特ロース 右から２切れ目 上
悩んだ結果、まずは豚肉の味自体をしっかり味わおうと思い、下側に。藻塩をぱらぱらと衣へかけ、口へ運ぶ。
10つに切り分けてあっても口に納めるのが大変なデカさのカツを放り込む。
ザググッ!!!
とゴリゴリザクザクな衣の良い音。油切れもよい。ラードを使わずに植物性油だけで揚げているそうで、ラードの香りは楽しめないが、カラっとしている。
豚に到達すると、ギッシリと詰まった赤身の肉肉しさが襲う。
おぉぉ。めっちゃ肉だ。かなりの肉感。
美味い。がしかし、豚の旨味はそれほど強く感じない。そして、ウェルウェルダンダンぐらいな火入れ具合なので、しっとりさは無く、赤身がややパサつく感じはある。
脂身が下側にはないため、それもしっとり感やジューシー感が足りなく感じる要因でもある。
続いては２切れ目の上側を食べてみる。こちらも藻塩をかけて喰らう。
ガリっと衣を噛むと中からは脂身がじゅわ～と。脂身の融点はやや高めで、さっくりと歯で噛み切れる。脂身のおかげもあり、ジューシーさも感じられ美味しい一切れ。
ご飯
美味い一切れの勢いそのままに、ご飯をかき込む。少し固めの炊きあがりで、米粒が気持ち小さい。
なめこ汁
カツ、ご飯と来たら汁も飲まなければ。汁椀はなめこ汁。口コミを見ていると、昔は普通の味噌汁、豚汁、なめこ汁から選べたそうなのだが、特に聞かれずになめこ汁だったので今はこれだけなのかもしれない。
中には豆腐となめこと刻みネギ。ややしょっぱめだが、美味く温まる。いい口直しになる。
続いては真ん中の上下２切れを食べてみる。こちも藻塩で頂く。
２切れ目同様に、下側の赤身は肉肉しさ満点。上側は脂身が強く、ジューシーさが感じられる。
特ロースかつ
4/10を食べた時点でいつもならあと２切れぐらいな腹の具合。やはり凄いボリュームだ。
真ん中からひとつ左の下側を藻塩で食べ、お腹がさらに膨れる。ご飯もなめこ汁も食べ進める。
続けざまに上側も食べる。
おうふ。
ここら辺から、脂身の比率が高い上側を食べるとかなりクドく感じてしまった。最初は下側の物足りなさから、上の背脂側を食べるとジューシーで美味いと感じたのだが、だんだんとそれがキツくなってきた。
上と下を合体させれば、3:7ほどの脂身と赤身のバランスだが、上だけだと2:3か2.5:3 ぐらい。
背脂側は両端の２切れが残っているので、それらはカラシととんかつソースで食べて脂を中和して食べることにする。
キャベツ
時折、キャベツでさっぱりとさせて、胃を落ち着かせる。途中で隣のお客さんが帰るまでソースをかけて食べてたのだが、そのお客さんの所にドレッシングが置いてあり、途中からはそれをかけた。
ゴマ油の風味がほんのりとするオニオンポン酢ドレッシング。さっぱりとしていて、合間に挟むのにもってこい。
お新香
ゆっくりと、しかし着実にカツを一切れずつ食べ進める。やはり背脂側がキツイ。単純に拙者の胃袋の大きさの問題もあるし、脂身と赤身のバランスという所もある。
下の赤身側は全て食べきり、残りは左端の背脂側のみ。背筋を伸ばして少しでも胃にスペースを空ける。
お新香は食べて、リフレッシュ。
最後の一切れにカラシを多めに付け、ソースをかけてパクリ。なめこ汁で半分流し込み、フィニッシュ。
いやはや、もう夜飯は絶対に食えないというほどお腹いっぱい。実際にこの日は夜飯は夜中にカップスープだけ飲んで終わり。そのぐらいボリューミーでした。
しかしテーブル側に居た40代ぐらいのお兄様型は普通に食べてたし、キャベツかなんかをおかわりもしてたし、意外と皆食える量なのか。
最後に残ったキャベツとなめこ汁を平らげて、お会計。ご馳走様でした。
個人的には特ロースであれば、背脂側を２、下側１、背脂２、下１、背脂１、下３のように早めに背脂側を食べきってしまうのが良いかと思う。時間が経つと脂身が硬くなってしまうので。
では、総評！
【肉部門】（18 / 25）
・左から３キレ目のファーストインパクト：3.5点
※今回は右から２切れ目の上下
・2切れ目と4切れ目の美味しさ：3.5点
※今回は右から１切れ目と３切れ目
・脂身の美味しさ：4点
・全体的な赤身と脂身のバランス：3点
・衣：4点
【その他部門】（17 / 25）
・ご飯：3点
・キャベツ：4点
・豚汁（普通の味噌汁）：3点
・付け合せ（お新香）：3点
・ソースや塩その他、調味料など食べ方：4点
【お店部門】（14 / 20）
・店員さんの対応：2.5点
・清潔感：4点
・雰囲気：3.5点
・個人スペース：4点
合計：49 / 70 点
今回は特ロースかつ定食を頼んだので、ボリュームが多すぎたというのはあったかもしれない。という点はあるものの、拙者としてはあの切り方のとんかつは美味いとは思えなかった。
正確に言えば、最初の1,2切れは美味いと思ったが、途中から背脂側はくどく、赤身側は淡泊過ぎるように感じた。同じ値段で小さくて良いので、脂身と赤身と衣を一斉に口に入れて、とんかつを味わいたい。
かなり分厚い切り付けだけど、中をしっとりレア感を残しているわけではなく、ガッツリ火入れしている。そのため、もう少し薄目にして縦に切り分けずとも一口で食べれるサイズになったら、もっと美味しそう。
店内の清潔感や塩などは良く、個人スペースも大きなカツ皿にキャベツの大きな皿、ご飯、汁椀、お新香、塩皿にソース皿と並べても大丈夫なぐらい確保してあり良かった。
店員さんは常連さんと思わしき方々とは楽しくお話していたし、中に入ってからは優しかったので、ツンデレな方なのだと思う。
拙者としては、同値段なら「のとも家」、新橋ならもっと安い「まるや」の方が優先度高く行くでしょう。ただ、ニュー新橋ビルもいつ解体が始まるかもわからないので、その前に一度行ってみるのはアリかもしれません。
ではまた！
港区とんかつランキングリンク集
港区とんかつランキングリンク集
第一回 大門/浜松町「のもと家」の厚切りロースかつ定食
第二回 大門/浜松町「とんかつ檍」のロースかつランチ定食
第三回 麻布十番「とんかつ 都」の上ロースかつ定食
第四回 六本木「豚組食道」のロースかつ膳
第五回 六本木「イマカツ」の特選ロースかつ膳
第六回 赤坂見付「末吉」の特選ロースかつ定食
第七回 赤坂「とんかつ 水野」の特上ロースかつ定食
第八回 新橋「とんかつまるや 新橋烏森口店」の厚切りロースかつ定食
第九回 新橋「とんかつ 明石」の特ロースかつ定食
第十回 三田「とんかつ芝」の上ロースカツ定食リヴ
第十一回 南青山「とんかつ 赤月」の岩中豚ロースかつ膳
第十二回 白金台「とんかつ すずき」のロースかつ定食
第十三回 御成門 燕楽の「ロースかつ定食」
第十四回 麻布十番 むら中の「特製ロースかつ定食」
昼総合点★★★☆☆ 3.3
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