毎週火曜日更新、「港区とんかつランキング」。ついに宣言通りの定期更新ペースを保てるほど更新が捗っている、GOEMONです。
記事のストックは5本出来たものの、とんかつランキングのストックがない!と気付いたのは土曜朝。今宵は午後から仕事が入ってしまっているので早起き。よし、先にとんかつ食いに行くか、てな訳で伺ったのはこちら。
とんかつ 末吉
東京都港区赤坂4-3-10
営業時間
[月~金]:11:30~14:00, 17:00~20:45
[土] :11:30~14:00
定休日 :日曜・祝日
もう9月末なのに夏のような暑さが残る中、少しでも健康のためとぼとぼと歩く。じんわりと汗をかいて来てしまった所で赤坂サカスを越え裏路地の末吉に到着。ぴったり12時に着いたのだが、店内にはカウンター3名とテーブル席に1組、どうやら奥には個室?があるのかそちらからも1組いらっしゃるようだ。
平日のランチ時は場所柄やはり混むので土曜日の昼間は空いてて居心地が良さそう。着席すると熱々なお茶とおしぼりをすぐに持ってきてくれる。ざっとメニューを見たがすでに決めていたため、このタイミングで「特製ロース定食」を注文。普通の「とんかつ定食」もロースかつだが特製を選択。
注文後数分で先にお新香の到着。なかなかのボリューム。
お新香 盛り合わせ
にんじん、白菜 きゅうり、大根、沢庵、柴漬けと6種の豪華具合。味付けは薄めのあっさり。沢庵と柴漬けはご飯のお共にもなるが、他のお新香は口直しに食べると良い。
注文から10分ほど待った所でご飯、豚汁、そしてカツの到着。
特製ロースかつ定食(2,3000円)
こんがりと揚がった薄めなカツ。第五回までのカツと比べるとやや異質。見た目はいわゆる昔ながらのとんかつである。
特製ロースかつ定食
高温の油でよく揚げたきつね色の衣は粗めなパン粉でカリカリしているのが見てとれる。多くのとんかつ名店がブランド豚を使っている中、40年近く営業されている末吉では昔ながらのとんかつを貫いているようだ。
特製ロースかつ 3切れ目
断面を見てもやはりよく揚げ、そして筋切りと共にそこまでしないでいいよ!というぐらいに叩いてあるためか赤身がみっしりと平たくなっている。
ちなみに通常のとんかつの向きとは末吉は逆で右から左へかけて細くなっている。食べログの写真を見ると昔からこの向きと思われる。そのため、右から3切れ目をファーストバイトに選ぶ。
テーブルに置いてある調味料は自宅にもありそうな食卓塩とソース。
調味料
ファーストバイトは塩を軽くふりかけ頂く。箸でカツを持ち上げるとカリカリっと衣から音が鳴る。そして一口。
ザクッ
やや厚め、粗めなパン粉、よく揚げ、な衣は想像通りのザックリ感、裏切らない。肉は筋っぽさは一切なく柔らかい。歯切れよく嚙み切れる。ザックリとした衣の後にサクッとした赤身肉。背脂部分はほぼ全部切り落としてあり、脂身はほとんどない。これはシンプルに美味いとんかつだ。いわゆる「普通に美味い」。塩は至って普通の塩なので、かけすぎると塩っぱそうだ。
特製ロースかつ定食 4切れ目
二口目は右から4切れ目。こちらもやはり脂身は切り落としてあり、ほぼ赤身。またもや塩で頂く。
ザクッとサクッと。普通に美味い。
油切れは悪くはないが良くもなく、下面が少ししっとりしている。しかし気になる程ではない。
千切りキャベツ
ここでキャベツにソースをかけて頂く。かなり極細な千切りキャベツはふわっとしていて水水しい。これは美味いキャベツだ。今のところ「港区とんかつランキング」の中ではイマカツと並ぶキャベツのクオリティーの高さ。
これを人の手で切っているとしたら相当な訓練が必要そうだ。すごいぞ。
特製ロースかつ定食 2切れ目
塩で頂いても美味しいには美味しいのだが、やはりブランド豚との差は歴然。豚自体の旨味がなかなか感じられず、良くも悪くも普通のとんかつの味。そのため、塩よりもソースの方が合いそうだと判断しここからはソースで頂く。
一筋のソースを垂らし、ご飯へバウンドさせて口へ運ぶ。おぉ、やはりソースだ。豚自体の質は他店に比べると決して高くはないが、丁寧な下ごしらと誠実な仕事を感じられるこの古き良きとんかつはソースで頂くとやはり美味い。
ご飯
カツをバウンドさせたことによってご飯に落ちたソース付きの衣と白米を一緒に頬張る。うむ、これはまさに良い定食だ。
ご飯はやや固めな炊き上がりで、水分が少なく感じふっくらとはしていない。
しかし、柔らかいカツ、ソース、ザクザクとした衣と白米が合わされば美味いこと必死。
豚汁
豚汁は非常にシンプル。具材はいちょう切りの薄い大根が9割、少しだけ人参が入っている。豚肉はぽろぽろと欠けらが居るか否かといった具合。味は至って普通。
カツ、ご飯、汁、キャベツのルーティンを作り上げて食べ進めていると店員さんがキャベツを持っておかわりを勧めて来てくれる。こちらから言わずとも回ってきてくれるのは非常に嬉しい。店員さんはどの方も楽しそうに仕事をしていて明るく、非常にいい雰囲気だ。職場の雰囲気が良いのは客としても居心地が良い。
特製ロースかつ定食 端
最後は端のふた切れ。右端は他と同様、脂身なし。左端は少し脂身があったのだが、さっと溶けて筋感もなく食べやすい。やはり丁寧な下ごしらが感じられる。
最後は残ったご飯と衣をかきこみつつ、お新香、豚汁、おかわりキャベツを平らげてご馳走さま。お腹は8分といった具合で満腹ではない。どの店もかなりお腹がパンパンになるのだが、ご飯をおかわりしないと成人男性で平均的な食の人は腹8分で心地よいぐらいの分量であった。
全体的に美味しく、非常によい定食ではあったものの2,300円のグルメとんかつとして判断をするのであればもう少しインパクトが欲しくなるのが正直なところ。1,200円の特製ではない「とんかつ定食」は食べていないが、豚が違ってもそこまで大きく印象が変わらないと思うのでそちらは普段ランチで気軽に行くには満足できるだろう。
例えるならば、モスバーガーは普段サクっと食べると美味いし不満はないが、1,500円するようなグルメバーガー屋でモスが出てくると期待値を下回ってしまう感じだろうか。美味しいし好きだけど、特別感はなく「普通に美味い」。
特に特製ロースかつは脂身を切り落としていたが、ロースかつは基本的に赤身と脂身を楽しみたい。赤身オンリーで良いのであればそもそもヒレかつを頼んだ方が良い。わざわざロースかつを頼むからには赤身と脂身、そのコンビネーションが味わいたい。
やや辛口意見になってしまったが、美味しいのは確かなのでランチの「とんかつ定食」または「カツカレー」などで行くのは非常にアリだと思うので是非。冬の時期は牡蠣フライが美味しいらしい。ごちそうさまでした。
では、総評。
合計:47.5 / 70 点
港区とんかつランキングリンク集
港区とんかつランキングリンク集
第一回 大門/浜松町「のもと家」の厚切りロースかつ定食
第二回 大門/浜松町「とんかつ檍」のロースかつランチ定食
第三回 麻布十番「とんかつ 都」の上ロースかつ定食
第四回 六本木「豚組食道」のロースかつ膳
第五回 六本木「イマカツ」の特選ロースかつ膳
第六回 赤坂見付「末吉」の特選ロースかつ定食
第七回 赤坂「とんかつ 水野」の特上ロースかつ定食
第八回 新橋「とんかつまるや 新橋烏森口店」の厚切りロースかつ定食
第九回 新橋「とんかつ 明石」の特ロースかつ定食
第十回 三田「とんかつ芝」の上ロースカツ定食リヴ
第十一回 南青山「とんかつ 赤月」の岩中豚ロースかつ膳
第十二回 白金台「とんかつ すずき」のロースかつ定食
第十三回 御成門 燕楽の「ロースかつ定食」
第十四回 麻布十番 むら中の「特製ロースかつ定食」
とんかつ 末吉 (とんかつ / 赤坂駅、赤坂見附駅、溜池山王駅)
昼総合点★★★☆☆ 3.3