赤羽橋、大門、三田、田町。ここら辺は法務局、年金事務所、税務署やら労基やらで手続きが発生したり書類がどうのこうのでたまに行くのだが、いつも面倒。ネットで済ませられるものも増えたが、紙で何たらというのもまだある。
面倒だけれども、放置はできぬ。嫌々そちら方面へ行って処理をすると打ち合わせが無ければ、もうその日は戻って仕事をするのも面倒なので田町か大門のルノアールで過ごす。そして仕事を終わらせたらそのまま飲みに行く。これがお決まりの流れ。
そんなこんなで今宵もキリの良い所で切り上げ、飲みに行こうとした頃に急ぎの仕事が入ってしまいそのままルノアールで仕事を続ける。3杯目のコーヒーを平らげてカフェインぶっちぎりになった所でようやく仕事が終わり、時間はもう21時前。omg。クタクタだしお腹もペコペコ。そんな状態で伺ったのはこちら。
鶏繁 芝大門店
東京都港区芝大門1-7-2
営業時間:17:00~23:30(L.O.23:00)
定休日 :日曜日
大門で焼鳥を食べる時は昔から「大助」という所に行っていたのだけど、年々味が落ちたように感じ、昨年の頭に行った最後の2回は特に微妙だったのでそれ以来行っていない。しかし拙者の感想とは裏腹に食べログの点数は3.72まで上がっているようだ。なので今度久々に行ってみようと思う。
さて、大助は置いておき、今宵は鶏繁。東京駅、新橋、六本木、麻布十番にも店舗を構えるこちらのお店、口コミを見るとピークタイムはいつも混んでいるようなので電話をして、1人でもいけるかと聞くとすんなりOK。
電話から数分で店に到着すると店内はなかなかの混み具合。カウンター席に案内され、お隣のカップルに失礼しますと聞こえるか聞こえないかぐらいの声であいさつをして着席。
串のコースは7本のお任せか10本の決まった串が出てくる2種類があり、10本の方は定番の串しか出ないようなので7本+にお好みで追加することに。ビールと7本お任せを頼んで晩酌スタート。
黒大根
お通しは黒大根の酢漬け。初めて食べたので記憶違いだったら申し訳なし。
味自体は大根の酢漬けと変わらない普通に美味いやつ。
お通しが珍しくて知らないものだとそれだけで期待感が高まる。
さび焼きとレバー
そこそこ店内が混んでいたのだが、注文から5,6分で早くも1本目の到着。1本目は優先的に早くしてくれているのかもしれない。だとしたら、すばらしい気遣い。
1本目は安定のささみさび焼き。やや強めな火入れ具合。肉質がよく美味い。拙者の個人的な好みとしてはもう少しレア感の残る方が好き。
2本目(写真奧)はレバー。中はほんのりレア感の残る加減で、臭みなく濃厚で美味い。レバーが美味いとそれだけでもうこの後に来る串も美味いことが確定。勝利。
サラダ
串の後にサラダも到着。こちらは至ってシンプルなもの。
サニーレタスに人参の千切り、キュウリのスライスなどに胡麻ドレッシング。
気持ち程度でも緑の野菜を食べれると嬉しい。
金針菜
3本目にして早くも金針菜の登場。やや大き目な金針菜が8連スタイル。
このなんとも言えない甘みが美味い。
美味しいレバーと金針菜、さらに美味い店確定。
砂肝
4本目、砂肝。
シャクシャクとした食感に強めの塩、美味い。
砂肝は店によらず安定した味の串だし、どこの店でもよく食べるが飽きが来ない。
ビールも進むし良い部位だ。
つくね
5本目はつくね。
見た目も何かこうゴツゴツとしているのだが、つなぎを使っていないとのこと。つなぎ無し棒つくねは肉肉しさが抜群。
しっかり目の火入れ具合でしっとり柔らかな棒つくねとは違い、がっしゅがしゅの肉肉棒。
これはこれで美味い。一噛みごとに溢れる肉汁がたまらない。
下仁田ネギ焼き
目の前のカウンターの上に美味そうな下仁田ネギが置いてあったので、すかさず注文しておいた。下仁田ネギは焼くのに結構時間がかかるので頼むなら早めにしておくと良い。
じっくりと焼いて外側とむきむき、すると中はとろ~り蒸し焼きになった下仁田さん。
ネギとは思えないこの甘さたるや、ネギ史上最大の美味さを記録。
冬だけしか食えないのが惜しい所だが、品種改良して年中食えるようになるか上手いこと栽培してくれる人が現れるのを願うばかり。
モモ
6本目はモモ。ぷりぷりっとした身を噛みしめるとバユンとした弾力。
肉の旨味ががっちり感じられ、美味い。王道ながら希少部位に一歩も引けを取らない美味き串。
コンビニ飯や家で料理する時の飯も含めると鶏モモは恐らく一番食べているのだけど、色んな食べ方があるし色んな国の料理に合うのに飽きない。さらには塩でシンプルに焼くだけでもこれだけ美味い。最強の肉。
ふりそで
7本目は希少部位の中からふりそで。ちょっと遅めの時間だったので残っててラッキー。
口に入れた瞬間に感じるジューシーな脂、そして濃い肉の味。鶏肉の旨味というか肉の味というかなんだろう、もうとにかく濃い。いや、もはや強い。フィジカル。そんな感じ。
鶏肉の旨味と良質な脂を一切れに凝縮させたようなこの美味さ、最強。
ハツ
8本目はハツ。
ハツも定番ながら、外せない安定の串。レバーが美味かったので美味いことに疑いを持つ訳はないが、食べてみるとやはり美味い。
ぷっくりプチンとさっくり歯切れて例のハツの味、美味い。
ソリ
こちらは希少部位のソリ。ふりそでより脂身が少ない。
ソリもまた、口に入れて噛むと怒涛の肉の旨味を感じる。一噛みごとに肉の濃い味。この鶏は鶏を食べて育ったのか?って思うぐらい鶏肉の美味くて濃い味がする。
ふりそでもめちゃくちゃ美味いが、ソリの方がもう少し淡泊で脂少な目、だけどより一層肉の味が強い。
手羽先
10本目は拙者には欠かせない手羽。終盤には手羽と決めている。
最後の方に味の濃いものを食べたいというのもあるけれど、手で持ってかぶり付きたいので序盤で手をべとべとにしたくないというのもある。
串から外して両手で手羽を持ち上げ、そのままかぶりつく!美味い。
焼き鳥屋の手羽先ってなんでこんな美味いんだろか。手羽先の店で食べる手羽先はだいたい美味く無い気がするのだが、焼鳥屋の手羽先はホントに美味しい。頑張れ、手羽先屋。
う玉
最後はうずらの卵。
中はちょっぴりレア状態な仕上がり。プチンと弾けてとろりと黄身。素朴な美味しさ。
以上で合計11串と下仁田ネギ。ビール数杯と日本酒を2合か3合とハイボールちょいちょい頂いたのだけど飲み物取り忘れ。どの串も美味しく、店員さんも丁寧で非常に良い店でした。六本木店はいつも目の前を通るものの、客層が読めないので拙者は行くなら大門です。ご馳走様でした。
~おまけ~
大門 焼鳥 サイドストーリー 面白常連おっちゃんにゴチになる
※飯ではないので、暇な人向け。良かったら読んでね。
実はこの晩酌、まだ続きがあって、最後のソリらへんから右のカップルとは反対側の左隣に常連さんっぽいおじちゃんが座ってきたのだけど、その影響(良い影響)で閉店近くまで店に居たのです。笑
おじちゃんは店に入って来るなり、「いつもの!」的なノリで串2,3本と瓶ビールを頼み、「お通しはいらんわ!」と手慣れたルーティン。
店員さんも嫌な感じはしてなかったから常連さんなんだなぁと認識し、拙者は特に絡むことなく、DAZNでサッカーを見ていた。しばらくし、一通り拙者の串が出終わって、そろそろ帰るかなと思っていると、右のカップル男子が「それどこ対どこですか?生ですか?」と話しかけてきて、ちょっとしたサッカートークが始まった。
残ってるハイボールを飲みながら、カップル男子とサッカートークに花を咲かせ、このカップルはもう長いのか、それとも今日は勝負所なのか。勝負所なのであればここはサッカー好き仲間としては男子への究極のアシストを決めるべきではないか。お前は今どのポジションに居るんだ。
アシストはいらないほどの無人のゴールにあとはそのままドリブルして突っ込んでも良いしコロコロと丁寧にゴールへパスを決めればいいだけなのか。
それとも、死に物狂いでゴール前の接戦を制して、やっとの思いで確保したこぼれ球を拙者へのサッカートークというパスをすることでアシストを要求しているのか?
どっちだ、どっちなんだカップル男子よ。いや、もはやよくよく見てみるとカップルなのかどうかもわからなくなってきた。ただの同僚なのか、ちょっと進んだ関係になりつつある同僚なのか。はたまた大学の時の同期なのか。わからない。
いつもならば一人で飯を食う時に男女が隣に座ったらその男女の関係性を勝手に想像するゲームを始めて楽しんでいるというのに、今日に限ってはガッツリとバルセロナ戦のアーカイブを見ていたせいで全く会話を聞いていなかった。
そうこう悩んでいる間にもサッカートークは続き、拙者のハイボールは底を付いた。すまぬが男子よ、拙者は勝手ながら長年経過した後のカップルだと判定して今宵は帰るぞ。そうして帰宅雰囲気を出し、店員さんへ会計をお願いする。しかしこの夜はまだ終わらなかった。
「兄ちゃん若いのに一人でこんなところで焼鳥か!ビール1杯飲むか!?」
ノーマークだった左サイドからまさかの常連じいちゃん。相手の3トップとインテリオールの位置をしっかりと確認し、右サイドから上がった高いクロスを誰もいないと思ってスルーしたその先に左サイドを全速力で駆け上がってきたじいちゃんは居た。
「いやぁ、今日はもうたらふく飲んで来ちゃったからビール飲めたらこの1本付き合ってよ! 嫌だったらホントに無理しなくて大丈夫だからね。ごめんね!ホントに飲めたらで大丈夫だからね」
物凄く気を使いながらも一杯やろうや!感が凄く伝わってくる。時刻はまだ22時ちょっと。飲み屋で他のお客さんと一緒に飲むなんて、一人飯を極めた拙者には何の問題もない。
「じゃあ頂いちゃってもいいですか。てへぺろ」
店員さんが拙者用にもグラスを出してくださり、カップルも一緒に乾杯。カウンター4席で謎の会合が始まった。常連じいちゃんは毎度遅い時間、2,3件目に来てちょろっと串を食べて〆るのがお決まりらしい。その使い方、ベテランのなせる業。
「兄ちゃんなんで一人で飲んでんだいやー 若い子でも連れて飲み行かないんか カッカッカッカ」
「彼女と飯食うこともありますけど平日はだいたい一人で飲み歩いてますよー」
「んな若いんだから、彼女の一人や二人作ればいいんだよ!カンタンだろ?」
「彼女は一応いるんですけど、一応というか普通に居るんですけど平日は時間合わせるの大変なんで一人が多いんですよー」
「まぁーでも若くても一人で飲み屋入って飲み食いするっちゅーのも勇気いるもんだけどなぁ」
常連じい、すでにキャッチボールは出来ず。笑 しかしまぁ良くしゃべる楽しい方で、なんやかんやでビール1本どころじゃ済まず
「あと1本だけ一緒に飲むか?1本だけ!」
みたいな展開で結局2本飲みつつ、普通にハイボールも飲み始めてしまい、さらには
「今日秘宝食ったか?秘宝」
食べてないことを伝えると大将に秘宝を2串頼み、拙者に1本くれた。これがまためちゃくちゃ美味い。どこの部位かは聞き忘れたか聞いても忘れてしまっているのだが、めちゃくちゃ美味かった。
その後も何をしゃべってたのか記憶がないのだけど、お互いかなり酔っぱらって、いつの間にか隣のカップルも消えていて気付いたら店の中にはほぼお客さんがいない状態。
何杯目かのハイボールを飲み終え、常連じいちゃんも拙者につられて「同じの!」って頼んだものの「これウイスキーみたいな味するな!ビールにしときゃよかった!」と後悔していたハイボールをなんなく完飲。
さすがにここでお開きにしましょう、ということでお会計。自分の分は出しますよ、と何度伝えても頑なに「おれが誘ったんだからおれにご馳走させてくれや兄ちゃん」。お言葉に甘えて二次飲み食い分は奢って頂いた。
いやはや、何があんなに盛り上がったのか思い出せないのが残念なのだが中々に楽しい夜でした。串も美味かったし、楽しかったしで大満足。お店もおじちゃんもご馳走様でした。
夜総合点★★★☆☆ 3.6