「甘みのある脂身が特徴的です」
「豚本来の旨味を何も付けずにお召し上がりください」
「ぜひ、素材の味を塩で味わってみてください」
脂身に甘み?脂身はくどいから嫌い。
何も付けないでとんかつを食う?何言ってんだソースよこせ。
塩で味わう?いいからソースを出せい!
いわゆるとんかつ有名店に初めて訪れた時にこんなことを思った方も居るのではないだろうか。はたまた、訪れた後でもこんな風に思っているかもしれない。
拙者が初めて行った有名店は赤坂の「とんかつ まさむね」。まだ美味い店になんか興味のない頃だったが、とんかつで食べログ3.8近い店っちゅーのはどんなもんなんだい、とそれまで興味の無かった有名とんかつ店を訪れ「上ロースかつ定食」を頼んだ。
塩で頂くのがオススメだと書かれたポップ、目の前に置いてあるソースを使わない赤坂ビジネスサラリーマン達。
とんかつなのにソースで食わない。「和幸」ではソースどころか味噌ダレまで追加注文していた拙者にとっては意味不明すぎた。
しかし郷に入っては郷に従え。おすすめの通り塩を振りかけてみる。
そして一口。
ふむ、脂身がすげぇ。ていうか噛み切れない。
もう一切れいってみる。これもなかなかの脂身、すでにくどいぞ。
なんでこれが3.8なんだ。サクラか?サクラなのか?
すでにテンションはだだ下がり、しかし腹は減っているのでもう一切れ。
あれ、ここはめっちゃ美味い。なんだこれ。
しっとりとした赤身とサクサクの衣、そして程よい脂身がとろける。
そしてもう一切れ。これもまた美味い。
さらにもう一切れ。あれ、これはちょっとまたくどい。
もう胃がもたれそうになった拙者は我慢の限界で人目を気にせず、残りはソースをぶっかけて食べきり、店を後にした。
「もう二度と来ないなこれは」
それがとんかつビギナー若かりしGOEMONのファーストインプレッションであった。
時は流れ2018年、徐々に歳を食い美味い飯を食べ歩けるようになっていた拙者は大好きな和食達、鮨、焼き鳥、焼肉、割烹、などなど。主に赤坂、四ツ谷エリアを中心に開拓していった。
そして、食に興味を持ち色々と調べるようになると重大な昔のミスに気付いたのである。
そう、とんかつである。
拙者が通っている某鮨屋に料理評論家の山本益博先生がいらっしゃり、何度かお目にかかることがあって書籍を拝読したところ「東京とんかつ会議」なるものがあるとのことで、それを見て気づいたのである。
拙者はとんかつの何も知らなかった。ただ適当に食い、脂身がどうだの塩がどうだのと抜かしていた。
ロースかつ定食、上ロースかつ定食。上の方が美味いやつなのかな。ぐらいに思って頼んでいた。
最初のふた切れが脂身が多いのは当たり前で、3切れ目が美味く感じたのも当たり前。東京とんかつ会議のマッキー氏が書いているオススメの食べ方にも書いてあるが、
「3番目辺りはロースの芯で、最も脂と肉のバランスがいい」
拙者は何も考えず一番左から食べていたし、脂身がそもそも好きではないのに上ロースを頼んでいた。
何もわからないまま食べ、一度切りで食べるのを辞めていたとんかつだが、調べれば調べるほど奥が深く、そして何より皆に愛されている素晴らしい料理だということがわかってきた。
それからというもの、拙者は昼間の打ち合わせ先近くに美味いとんかつ屋があれば入り、とんかつを食べてきた。多い時には週3回。近場のとんかつ屋を制覇する勢いで食べ続けてきた。
増えた体重は計り知れない(計ればいいが、計らない)が、美味いとんかつはこんなにも美味いのかという驚きと共に、とんかつは拙者の大好物になった。
そして今宵、とんかつヘイターからとんかつ大好きっ子となった拙者はついに禁断のあの企画を発表するのである。
題して:「本当に美味いトンカツはどこだ!港区とんかつランキング!」
題してもクソもなく、なんのひねりもないタイトリングではあるものの拙者史上、類を見ない気合の入れ具合で食べ、記憶が鮮明なうちに詳細なメモを残した圧倒的情報量によるとんかつ評価ランキング。
そして港区民/港区勤務勢、とんかつなら何処へでも行ってしまうとんかつっ子達へ送る溢れんばかりの愛と共に綴る詳細な評価項目。
東京とんかつ会議に感銘を受け、東京とんかつ会議に対抗するコンテンツを作るというこのメンタリティ。一切の手抜きと嘘なし、広告も張らず、特に仕事にする気もないこの純粋無垢な俺得ゼロなサイトだからこそ出来るランキングを発信していきたいと思います。
更新は毎週火曜日(の予定ですが更新がなかったら仕事が忙しいか飲みに忙しいと思ってくださいb)!ぜひチェックしてください。
評価対象は港区内のとんかつ店(とんかつがメインの純粋なとんかつのお店)かつ食べログ3.5以上。3.4点台は行けたら行く。美味しいかもしれないから。
評価項目は下記
【肉部門】
・左から3キレ目のファーストインパクト
・2切れ目と4切れ目の美味しさ
・脂身の美味しさ
・全体的な赤身と脂身のバランス
・衣
【その他部門】
・ご飯
・キャベツ
・豚汁
・付け合せ(お新香)
・ソースや塩その他、調味料など食べ方
【お店部門】
・店員さんの対応
・清潔感
・雰囲気
・個人スペース
合計14項目に渡って5点満点で評価していきます。
なぜ3切れ目のファーストインパクトなのかというと、前述の通りロースの芯が一番バランスがよく、一口目に食べるから。この一口目が一番舌が新鮮かつ一番美味い部位ということで重要視しています。
そして少し脂身が多い2キレ目、そして3キレ目の次にバランスの良い4キレ目も評価対象。
その他、店によって塩とソース以外にも山わさびがあったり醤油で食べたりと色々な食べ方があるのでそれも加えています。
豚汁は豚汁ではなくみそ汁の店もありますが、豚汁でない場合はそれを明記した上で評価を置き換えます。
ちなみに「東京とんかつ会議」では下記の8項目で採点されています。
・肉
・脂
・衣
・キャベツ
・ソース
・ご飯
・味噌汁
・お新香
拙者の場合はこれらに加えて細かい所と、お店の雰囲気なども採点しています。
とんかつの店を巡って感じたのは、新しい多くの店は雰囲気や清潔感は良いものの、昔からある人気店はいわゆる昭和の感じ。中にはかなり失礼な態度で他のお客さんに接しているのを見かけてこともありました。
拙者は清潔感に関してはあまり気にしませんが、心地よく美味い飯が食えるかという、店員さんと店の雰囲気、そして個人のスペース(主にカウンター)を気にかけています。
せっかく美味しいものを食べても店員さんが嫌な接客をして気分が悪くなれば、もう来たくありませんしオススメもしたくない。逆に飯は普通でもゆったりと良い雰囲気で、楽しい店員さんであればまた来たくもなる。
拙者はそういう性格なので、そこも評価項目に加えています。
ただ、飯が美味ければ店員さんなどは気にしないという方もいらっしゃるでしょうから肉、その他(付け合わせなど)、お店という3つの部分でそれぞれ分けての評価もランキング付けしていきますので、皆さま自分が気にする部分を参考にしてみてください。
まさかの3,000字越えの記事になってしまいましたが早速次からはとんかつ評価記事が掲載されていきますb
1店舗、1記事を更新していき全てを制覇した後にランキングを発表しますのでしばしお付き合いを!
それでは皆様よい食ライフをb